論理性もあり情もあり

ハムコが久々にとてもうまい日本語を読んだというので、それは何?と聞いたところ、池内紀の『今夜もひとり居酒屋』(中公新書)だと言う。居酒屋って、淑女がなに読んでんですか?

内容はなんということもない、くだらないことなんだが(ハムコはそんな言葉は使わなかったような気がする)、文章がとても端正、上等だったそうです。

そういえば、最近美しい日本語で書かれた小説とか物語とか読んでない気がする。記憶をたぐっても出てこない。思いつかないので、ハムコにいちばん文章が上手な人って誰なんだろ?と聞いたところ、んふっと笑いながらこう言った。

論理性もあり情もあり、読者に伝えようという志もあり、そんな学術論文読みましたと。

えーっ。ずるい。いや、ずるいわけではないけれど、うらやまし。

つらつら思うに、私はうつくしい文章という視点であまり本を読んだことがないのかも? 職業上それでいいのかという気もするが、いや、だからこそいいんだという気も少し。

論理性もあり情もありの文章はいずれ私も読めるはずなので、来年の楽しみにしておこう。

編集:t:eeh

 

 

 

コメント

  1. ハムコ より:

    研究対象への愛が、そのまま読者への愛になっているような、T先生の御原稿を読んだ昨日はシアワセでした。
    あまりに感動したハムコ「事実の羅列を書いてもナラティブってスゴイ!」と某ベテラン編集者にメールしたところ、
    「それは素晴らしい! 今日の私は、対象への偏愛が読者を忘れさせている典型、という文章を読みました」と即レスが。
    愛があればいいってもんぢゃないのね。

  2. t:eeh より:

    愛のおこぼれがネタとなってt:eehに降り注ぎました。愛あるネタ、ごちそうさまです。

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