東方の空

「さあ、行くか」と玄関に立った瞬間、稲光に続いて雷鳴それから、どーん!!という大きな音が。
どーんって、どーんって何事!?と思いながら後ろを振り返ると、猫が泣きそうな顔をしながら階段を駆け下りてきた。

「泣きそうな顔」というのは、ただでさえでかい目玉をさらにでかくして、腰を落としてヘコヘコと、それでも凄いスピードで真剣に慌てふためく猫の姿からくるイメージなのですが。

稲光が走り、雷鳴が轟くたびに1階から2階へ、2階から1階へと、ひたすら走る猫。
たぶん音と光が届かない安心安全な場所を探している。が、今此の時にそんな場所はないのだと言っても、猫はそんなこと知ったことではない。

見ていられなくて、猫の隠れる場所探しのお手伝いをしました。
まず、掃除している時に必ず避難する2階押し入れ上の天袋へ。雷鳴とともに飛び降りて1階へ走る猫。
次に、1階のコタツの中へ(まだコタツを出している)。雷鳴…飛び出して2階へ駆け上がる猫。

後ろ姿があまりに必死で、なにやら切ない。追いかけて2階の押し入れのお布団の奥に入れ、襖を10㎝ほど開けておく。
ふたたび雷鳴。2階から猫は出てこない。

その6時間後。なんなんだ、というくらいすっきりと晴れた夕暮れとなりました。こんな具合に。
猫と私のあのドタバタは雨と一緒に流れ去ったのでした。
もひとつおまけ。

バカバカしいほどにすっきりと晴れたmaupより東方の空です。

編集:t:eeh

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