ドライポイント、メゾチント

今日は、出版局のある吉祥寺で行われている展覧会の情報をひとつ。

吉祥寺丸井の裏にある、Gallery Face to Faceで開催中なのが「城野由美子+風早小雪 銅版画展」。
城野さんはよく存じ上げないのですが、風早小雪さんはこの春にムサビの大学院版画コースを修了した若手銅版画家。
修了制作は、優秀賞を受賞しています。ちなみに「かざはやこゆき」 なんてまるで芸名みたいですが、本名です。

で、銅版画と一口に言っても技法はさまざまで、彼女の場合は腐蝕液を使わないドライポイントとメゾチントを使って制作しています。
ドライポイントは、ニードル(鉄針)などで銅板を直接引っ掻いて描いていく方法。そしてメゾチントは銅板全面に細かい凹凸を付けて(目立て といいます)インクを詰めて刷れば真っ黒になるような状態にしてから、部分的に磨いたり削ったりして凹凸をなくし明るい調子をつくって描いていく方法。ん〜、ながいしわかりづらい説明……。黒い紙に白い描画材で描いていくイメージと言えば理解しやすいかな? ムサビが誇る「造形ファイル」にリンクしておきますから、興味のある方はそちらへ。
あ、もちろん『新版 版画』にも詳しい説明が載ってます。

ドライポイントは最も簡単な技法ですが、一方のメゾチントは目立てだけでも気が遠くなる程の労力を要する大変な技法です。
そんなメゾチントの特徴は、しっとりとして深ーい黒から白までのやわらかな階調でしょうか。
今回の展覧会テーマは「水」なのだそうですが、メゾチントにぴったりでしょう。

いつの間にか梅雨入りしここしばらくお天気はあまりよくなさそうですが、是非、足をお運びください。

(編集:凹山人)

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