ぺらぺらの彫刻

戸田裕介/編 石崎 尚・伊藤 誠・鞍掛純一・田中修二・戸田裕介・袴田京太朗・藤井 匡・松本 隆・森 啓輔/著

ぺらぺらの彫刻
帯付き書影
定価:3,630円(本体価格:3,300円)
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かつてない「読む彫刻」ついに誕生!
彫刻を観ない人に捧げる
彫刻オタクによる愛の歌

「構造を被覆する表面によって成立する彫刻の系譜を確認する」という共同研究に、彫刻家、美術史家、学芸員9名が集結。お堅い命題に頭を抱えて議論百出。ついに満場一致で「ぺらぺらの彫刻」として追究開始。道成寺の鐘の内側は、内なのか外なのか? 禅問答に悩むごとく、ある者は触覚から、ある者は空洞から、ある者はピカピカから、ある者は時代の空気から…横山裕一に章扉を描かせ、溢れる彫刻愛は「読む彫刻」を生み出した!

 

カバー・帯・表紙・扉/原画:横山裕一 
ブックデザイン:馬面俊之 

[編著者]
戸田裕介(とだ・ゆうすけ)
1962年広島県生まれ。彫刻家。武蔵野美術大学教授(共通彫塑研究室)。専門:石彫、金属造型、屋内外における大型彫刻制作。武蔵野美術大学大学院修了。英国王立芸術大学院大学PEP修了。日航財団「空の日」芸術賞海外派遣芸術家としてフィレンツェ、ロンドンに滞在。「雨引の里と彫刻」(茨城)、「釜山ビエンナーレ」(韓国)ほかに参加。アメリカ、イタリア、インド、ドイツ、ロシアなどの、石彫・鉄鋼 国際彫刻シンポジウムやアーチスト・イン・レジデンスで滞在制作。日本美術家連盟会員。

[執筆者]
石崎 尚(いしざき・たかし)
1977年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。専門は近現代彫刻史と日本の戦後美術。共著に『芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I』(幻冬舎)など。共訳書に『ART SINCE 1900:図鑑 1900年以後の芸術』(東京書籍)がある。現在、愛知県美術館主任学芸員。

伊藤 誠(いとう・まこと)
1955年愛知県生まれ。彫刻家。武蔵野美術大学教授(彫刻学科研究室)。専門:コンテンポラリーアート。武蔵野美術大学大学院修了。1996~97年文化庁派遣芸術家在外研修員としてアイルランドに滞在。1980年代から現在まで展覧会、アートプロジェクトに出品しパブリックアートに携わる。コレクションとして国立近代美術館、宇都宮美術館、千葉市美術館、愛知県美術館など。2008年から17年までは所沢で隔年開催される美術家と執筆家の協働企画「引込線」の実行委員として参加する。

鞍掛純一(くらかけ・じゅんいち)
1967年東京都生まれ。彫刻家。日本大学芸術学部卒業。日本大学芸術学部教授(彫刻専攻、地域芸術専攻)。主に鉄を用いた作品を制作している。2004年から「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に、鞍掛純一+日本大学芸術学部彫刻コース有志として、作品を制作、地域における活動を継続し、06年より毎回出品。代表作に《脱皮する家》(06年)、《コロッケハウス》(09年)、《大地のおくりもの》(15、18年)、《脱皮する時》(21年)。《チャール・ドルポン》(瀬戸内国際芸術祭、13年)。

田中修二(たなか・しゅうじ)
1968年京都市生まれ。大分大学教授。成城大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。専門は近代日本美術史、とくに彫刻と京都の絵画。主な著書に『近代日本最初の彫刻家』(吉川弘文館)、『彫刻家・新海竹太郎論』(東北出版企画)、『近代日本彫刻史』(国書刊行会)、共著『海を渡り世紀を超えた竹内栖鳳とその弟子たち』(思文閣出版)、『Since Meiji : Perspectives on the Japanese Visual Arts, 1868-2000』(University of Hawaii Press)、編共著『近代日本彫刻集成』全三巻(国書刊行会)。

袴田京太朗(はかまた・きょうたろう)
1963年静岡県生まれ。彫刻家・武蔵野美術大学教授。武蔵野美術大学彫刻学科卒業。文化庁芸術家在外研修員、五島記念文化賞美術新人賞、第22回タカシマヤ美術賞。静岡市美術館、平塚市美術館、カスヤの森現代美術館などで個展。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、「ミニマル/ポストミニマル」宇都宮美術館、「DOMANI・明日展 2021」国立新美術館などに参加。主な収蔵先:愛知県美術館、宇都宮美術館、川崎市民ミュージアム、佐久市立近代美術館、資生堂アートハウス、横浜美術館、ファーレ立川ほか。

藤井 匡(ふじい・ただす)
1970年山口県生まれ。九州大学文学部卒業。1995年から2007年まで宇部市役所学芸員として『現代日本彫刻展』ほかの展覧会を担当。後にフリーランスとして、東京や大阪での展覧会や、日本各地でのアート・プロジェクトに携わる。単著に『現代彫刻の方法』(美学出版)、『公共空間の美術』『風景彫刻』『眞板雅文の彫刻=写真』『ミニマリズム後の人間彫刻』(いずれも阿部出版)。共著に『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ』(東京美術)など。現在、東京造形大学教授。

松本 隆(まつもと・たかし)
1968年東京都生まれ。彫刻家、古典彫刻技法研究家。専門:陶、ブロンズ彫刻制作。古代ギリシアの鋳造技法、ルネサンスの陶芸技法、金銅仏造像法研究。武蔵野美術大学造形学部卒業。奥多摩町立せせらぎの里美術館で個展、「アートビューイング西多摩2019―アートの地産地消」(東京)ほかに参加。I BRONZI DI RIACE studi e ricerche, Laruffa Editore, 2021 に論文五編を掲載。2014年、アジア鋳造技術史学会研究奨励賞受賞。現在、武蔵野美術大学、多摩美術大学非常勤講師。

森 啓輔(もり・けいすけ)
1978年三重県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了。千葉市美術館学芸員。専門は日本近現代美術。1960~70年代の美術動向の研究と並行して、絵画、彫刻に関する現代美術作家の展覧会を企画・担当。主な展覧会に「イケムラレイコ PIOON」2014年、「菅木志雄」14~15年、「生きとし生けるもの」16年、「日高理恵子 空と樹と」17年、「須田悦弘 ミテクレマチス」18年(すべてヴァンジ彫刻庭園美術館)、「宮島達男 クロニクル 1995–2020」20年(千葉市美術館)など。

登録情報
編者戸田裕介
著者石崎 尚・伊藤 誠・鞍掛純一・田中修二・戸田裕介・袴田京太朗・藤井 匡・松本 隆・森 啓輔
ISBNISBN978-4-86463-130-3 C3071
体裁A5判/上製/320頁
刊行日2021年11月30日
ジャンル美術/芸術理論

目次

まえがき  戸田裕介

第1章    人体像の表面の向こうになにをみるか  田中修二

          1|《聖チェチリア》の表面から
          2|朝倉文夫作《みどりのかげ》にさわる
          3|朝倉響子の彫刻とリカちゃん人形
          4|再び、表面をめぐって

第2章    量塊を見つめなおす  戸田裕介

          1|透明人間を彫刻でつくることはできるか?
          2|モリヌークス問題から
          3|立体と量/塊と量塊
          4|彫刻家の言葉から―単一的視点
          5|彫刻家の言葉から―多視点性をめぐって
          6|多視点性から多感覚へ

第3章    すべての彫刻には空洞がある  袴田京太朗

          1|被覆の彫刻
          2|ブロンズ彫刻内部の「恥の空洞」
          3|ミニマル・アートにおける内部の空洞
          4|空洞がある/ない
          5|「恥の空洞」を消滅させた「彫刻」
          6|コンセプチュアル・スカルプチャー
          7|フェリックス・ゴンザレス=トレスの「空洞」

第4章    彫刻作品の表層について  鞍掛純一

          1|空家を素材にする
          2|脱皮する家
          3|コロッケハウス
          4|内なる表層

第5章    ピカピカの彫刻―戦後日本の鏡面彫刻  石崎 尚

          1|ぺらぺらの彫刻とピカピカの彫刻
          2|鏡面加工の登場
          3|鏡面彫刻の広がり
          4|野外彫刻展における鏡面彫刻
          5|その後の鏡面彫刻
          6|鏡面彫刻のポテンシャル

第6章    一九八〇年代と表面―召喚される「表面の存在論」  森 啓輔

          1|はじめに―表面の誘惑
          2|界面に吹く「風」
          3|交錯する「厚み」
          4|「かめ」の中
          5|「空気の道」のありか
          6|おわりに―表面から/表面への「跳躍」

第7章    庄司達の布―建築と身体の間に  藤井 匡

          1|庄司による布の特徴
          2|建築との関わり
          3|空間の創出と形態の創出
          4|身体との関わり
          5|建築、衣服、彫刻

第8章    彫刻のためのエクササイズ=谷岡ヤスジを誤読する  伊藤 誠

          1|谷岡ヤスジ
          2|トリックスター
          3|脳の中の小人
          4|表現の時空

第9章    金色と鏡―古代ギリシア彫刻からブランクーシへ  松本 隆

          序
          1|古代の鏡
          2|金色の素材
          3|古代ギリシアのブロンズ彫刻の表面
          4|中世の金色―聖フォアと定朝
          5|ルカ・デッラ・ロッビアのガラスの被覆
          6|ブランクーシの金色
          結

終章      「ぺらぺらの彫刻」とは何だったのか  藤井 匡

          1|「被覆としての彫刻」からはじまった
          2|「ぺらぺらの彫刻」へのアプローチ
          3|「ぺらぺらの彫刻」から導かれる可能性

あとがき  戸田裕介

 

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