民俗学 フォークロア編過去と向き合い、表現する

加藤幸治/著

民俗学 フォークロア編
帯付き書影
イラスト おおやまなつね
イラスト おおやまなつね
イラスト おおやまなつね
イラスト おおやまなつね
定価:1,760円(本体価格:1,600円)

フォーク(人々)あるところに
かならずロア(物語)あり
それを見聞きし、記し、読み解き
みずからの発見/表現とするには?

【2022年9月下旬・書店発売予定】

フォークロアとは、フォーク(人々、ある集団)と、ロア(伝統的な知識や物語)を合わせた造語である。今やレトロなことばとなったフォークロア。しかし、伝統をただ重んじるのではなく、過去からあるものに意味を見出し、今を豊かにしようというまなざしがその根底にある。なぜか懐かしくて理想的。ロマンチックだけど、ちょっぴり怖くて蠱惑的。そんなフォークロアを引き受けながら、みずからの表現を模索する旅に出よう。

 

表紙挿画:加藤伸幸
帯イラスト:おおやまなつね
装幀:馬面俊之

1973年、静岡県浜松市生まれ。武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授、東京大学教養学部非常勤講師。和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員(民俗担当)、東北学院大学文学部歴史学科教授(同大学博物館学芸員兼任)を経て、2019年より現職。博士(文学)。専門は民俗学、博物館学。
近著に『民俗学 ヴァナキュラー編―人と出会い、問いを立てる』(武蔵野美術大学出版局、2021年)、『津波とクジラとペンギンと―東日本大震災10年、牡鹿半島・鮎川の地域文化』(社会評論社、2021年)、『渋沢敬三とアチック・ミューゼアム―知の共鳴が創り上げた人文学の理想郷』(勉誠出版、2020年)、『文化遺産シェア時代―価値を深掘る〝ずらし〟の視角』(社会評論社、2018年)、『復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える〝くじらまち〟』(社会評論社、2017年)ほかがある。

登録情報
著者加藤幸治
ISBNISBN978-4-86463-152-5 C3039
体裁A5判/並製/242頁
刊行日2022年09月30日
ジャンル人文・社会・自然

目次

はじめに

    フォークロアのイメージ/螺旋構造としての三つの顔/フォークロア思考のレッスン

 

フォークロアの三つの顔

ノスタルジア(郷愁)―フォークロアはなぜ懐かしいか

    フォークロアと仮構の故郷/懐かしさはどこからやってきたか/

    平原の理想郷/民話採集の地としての理想郷/昔話研究へとつながる神話の理想郷/

    民衆に宿る文化の発見/ノスタルジック・ナショナリズム

ファンタジー(幻想)―フォークロアはなぜちょっと怖いか 

    感情の発露と想像の自由/ロマン主義を生み出した近代/

    芸術におけるロマン主義/フォークロアのゴシック的イメージ/フォークロアの魔力

フォーク・カルチャー(民俗文化)―フォークロアからどう生活を理解するか 

    現代に息づく文化の伝統/民俗誌的に地域を見る/ムラを生きる空間・時間/

    社会科学的な合理性と文学の心

 

わたしたちのなかのフォークロア

人体模型に見る身体観

    生きる活力の表現/痕跡から銅人形を検討する/銅人形のたどった「人生」/

    江戸庶民の医学観/人体の模倣と偶像/不気味の谷/フォークロア思考のレッスン(1)

意匠の日本らしさ・地域らしさ

    失いゆくなかで発見するもの/日本三大漆器産地の黒江/黒江塗における技術的特徴/

    分業体制のなかの年中行事/日本らしさを追求する職人たち/名物をデザインする/

    デザインされる郷土/フェイクロア、フォークロリズム/フォークロア思考のレッスン(2)

自文化を探求し実践する

    東北の造形文化の素朴さ/郷土玩具の発見と旅/版画で表現された雪国の文化/

    勝平得之が描いた秋田の風景/民俗学のアマチュアリズム/フォークロア思考のレッスン(3)

生活を取り巻く道具ともの

    過去の生活の痕跡としての民具/分類思考の近代性/民俗文化財の分類/分類の不可能性/   

    フォークアートの神話/現代の民具/フォークロア思考のレッスン(4)

怪異とフォークロアの文学

    山怪は生きたフォークロア/「信じるも八卦、信じないも八卦」/

    山の怪異小説としての『高野聖』/『遠野物語』の世界観/

    三島由紀夫の『遠野物語』評/象徴主義的な幽霊との遭遇劇/集めると見えてくる/

    フォークロア思考のレッスン(5)

大災害を伝承する文学

    災害文学の古典/災害経験の歴史を刻む/

    「記録」と「文学」の狭間にあるもの/ラフカディオ・ハーンのまなざし/

    フォークロアを記述する/災害経験は「伝える」ことができるか/

    フォークロア思考のレッスン(6)

概念をかたちにすることばと造形

    ことばは認識を拡張する/言外の意味とフォークロア/人々の自然理解とことば/

    風という不思議な現象/異界・異形の民俗と造形/幻獣を描き継ぐ文化/

    ムカデ絵馬の倍返し/ことばの持つ想像力と創造性/フォークロア思考のレッスン(7)

 

これからの時代のフォークロア

フォークロアはものに宿る

    ライフと表現/他者のまなざしをみずからのものとする/

    感情のコレクション/新たなコレクション観

誰にも開かれた問いと表現

    誰のなかにもある誰かの物語/文化継承とは新たに表現すること/

    過去の文化の引き受け方/研究や表現の自由と倫理/開かれたアマチュアリズム

 

あとがき

各章を深める一冊

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