2011-11

ひとりごと

黒沢さんの蔵書

わが出版局が「4年制通信教育課程開設準備室教材班」という準備段階にあった2001年から数年にわたって、制作を担当された黒沢哲夫氏が鬼籍に入られて5年がたつ。先日、ご遺族から「蔵書を処分したいので、御入り用のものがあれば、どうぞお持ちください」と連絡をいただき、お宅にうかがいました。二間幅、二層スライド式の重々しい書架でまず目にはいるのは鏡花全集。「ひゃあ、てっちゃん、鏡花が好きだったの?」われわれは、氏に向かっては「黒沢さん」と言っていたが、影では親しみを込めて「てっちゃん」と呼んでいたので、つい奥様の前で「てっちゃん」と云ってしまう。奥様はニコニコしておられる。岩波のアリストテレス全集、プラ...
日常の業務

FP最終年にむかって

FP……武蔵野美術大学で施行している、正式には「造形ファシリテーション能力獲得プログラム」といいまして、「美大ならではの造形の専門分野の力に加えて、誰もが参加できる造形ワークショップを促進する専門家(ファシリテータ)として力をつけましょう」ということを目的としたプログラムが、平成21年10月に文部科学省より「大学教育・学生支援推進事業」大学教育推進プログラム【テーマA】に選定されております。MAUPでは、そのもろもろ印刷物を担当。本日はFPの展示会・シンポジウムのポスター・チラシが完成し、納品されました。新宿センタービルで開催される「武蔵野美術大学造形ファシリテーション展示会・シンポジウム」は...
いぬ・ねこ・かえる

誤変換

空耳はかなり得意である。空耳ネタには事欠かない。たとえば丑寅(うしとら)の刻を、ウルトラの刻とか。音が耳に入って言葉に置き換えられるときに、多分変なところに接続するんだね。誤変換する。いま呑猫が救出大作戦を展開してくれている通信教育教科書のデータは、結局、呑猫が新規に打ち直すことになったのですが(お手間かけます)、暗号か、脅迫状かという誤変換に埋まった文面は、奇妙に詩的でもありました。欧文、記号、*は「米」の誤変換か? 資料が「賃料」、文章が「文革」。文革...何年前の話なんだか。懐かしいと言っては不謹慎である。さらに、ジャイアントコーン。隣の凹山人の反応が微妙に奇妙だと思っていたら、なるほど...
ひとりごと

笑い上戸

って、どうしたら治りますかね…そんなこと言ってる年じゃないんですけど、今だに治りません。周りがどん引きするくらい。最初は一緒になって爆笑してた友人がだんだん我に帰っていって、いわゆる平常心に戻ります。だけど私はまだずっとおかしくて、友人の顔が「いい加減にしなよ…」的な空気になってきます。どうしよう…私、完全におかしな人になってる…。どうしよう…って焦れば焦るほどおかしくなってしまう。遂に友人がキレて、「あのさー、それ許されるの、十代までだからね、まじで…」って真顔で諭す。わかってる!わかってるけど、どうしようもないの。で、自分なりに対策を考えたんですね。笑いを止めて冷静になる方法。そうだ!逆の...
ひとりごと

でかいやつ

「ジャイアントコーンの元の姿みたいよね」「どんだけ大きいんでしょうね」t:eehと、毎年この時期に助っ人として来てくれるDTPマスター・Mさんの会話。横で聞いていた私は、当然????ジャイアントコーンの元の姿って、砂糖とか、牛乳とか、カカオとか、小麦粉とかじゃないの?そんなの見たい?? シルシルミシル的にグリコの工場でジャイアントコーンができるまでが見たいの???それに、いったい何が大きいんだ????で、その真相は何のことはない、ジャイアントコーン=ミックスナッツなどに入っている大きなトウモロコシのことだったんです。なるほどね。ベビーコーン(ヤングコーン)は実は普通のトウモロコシを未成熟で収穫...
日常の業務

救出大作戦!

今や立冬。2012年2月納品に向けて、夏からの課題であったテキスト(通信教育課程教科書)改訂版の文字データ救出大作戦!が、まったなしになってきました。初版が2004年のタイトル。データ入稿しているので、直す作業はそれほどでも……といいたいのですが、たくさんの諸問題が……。組版ソフトInDesign、QuarkXPressが混在し、Illustratorで作成されたデータが配置されていて、Illustratorのデータはもちろんアウトラインされてある。アウトライン、つまりは文字だけど画像になって、直しがきかないのです。せめて文字データだけ抽出できればという最後の希望が、次々と砕かれ……。最終手段...
ひとりごと

手紙を書く

世田谷美術館を舞台にした『美術館のワークショップ』は年末刊行を目指して大詰めです。第6章「日常即美術也(にちじょうすなわちびじゅつなり)」ここでは学芸員の髙橋直裕さんと美術家の太田三郎さんが「日常と美術」というテーマで4日間連続のワークショップをとりあげています。ある日は、手紙を書くというワークショップ。相手や内容によって、便箋や封筒、切手は異なるはず・・・この日のために、髙橋さんは「数枚でいいですから便箋と封筒と切手、お願いします!」と周囲の人に声を掛けて、各種多様なものを懸命に集めたとか。当日は太田さんと参加者がわいわいとやってくれるのを涼しい顔して見ていればいい(?)学芸員。しかし、ワー...
耳寄りなお話

ムサビで杉浦康平さんとポーランド・ブックアート展!!

芸術の秋です。編集ハムコも行ってきたという横浜トリエンナーレに行ってきました!閉幕まであと2日とのことですが、老若男女、人が多くて、ビックリしました。小さなお子さん連れの方も多かったです。作品も面白かったのですが、人々が真剣にみている姿に感動してしまいました。横浜美術館から、BankArtStudioへの移動途中にあった「人間性回復のチャンス」という大看板。一緒に行った友人が、「ほら、アナタあれ!」と看板を指すので、私は今、友人に人間性を指摘されている、この人は日頃、私にいいたいことがあったのだな、と勘ぐっているところ、「作品だよ」と言われああ、そうか、とつい笑顔に。島袋道浩さんの作品でした。...
日常の業務

CMS

Webサイトをリニューアルして1カ月。ちょこちょこと更新していますが、お気づきでしょうか? Topページのinformationとtopicsです。この2つはCMS機能を用いて、自分たちで更新作業ができます。なんて素敵! ブログなみにササッと書いて、パッとアップできる! と夢を膨らませていましたが……。文字だけなら簡単なのですが、やはり画像を入れたい、リンクさせたいと思うと必要なのはタグの知識。これまでのソースをコピぺしてしのいでいますが、このままではいけないと思うこの頃。4年前、デジタルハリウッドのwebコースで学び、まさに今の季節、必死の想いで卒業制作(企画書をかいて、実際にwebサイトを...
いぬ・ねこ・かえる

カラスと一緒に帰るのだ

11月である。今年もあと2ヶ月。何があっても来年は来る。やさしいような、冷酷なような。ややこしい仕事が片づいたので、外階段で一息ついてました。晩秋らしい独特の夕暮れです。空が色ガラスのように透明になって赤から墨色に暮れてゆきます。このグラデーションのなかに千変万化に思える色が潜んでいる、なんて思いながら中天に輝く三日月に気づく。きれいである。「カラスと一緒に帰りましょ」と夕焼け小やけの歌が流れてきます。近くの小学校が流しているのか、武蔵野市役所が流すのか、この界隈はいつも夕暮れになるとこの歌が流れます。一日千秋というのは楽しいことを待つこころですが、この場合は十年一日で変わらんなと思う。子ども...