2014年3月 のアーカイブ

『博物館資料の臨床保存学』

2014年3月14日 金曜日

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上野の東京国立博物館は、いつも賑わっているイメージ。特に人気のある展示の時などは、入り口前に長蛇の列ができることも珍しくありません。
そんな賑わいの陰で日夜行われているのが、収蔵されている文化財資料の保存修復作業です。
文化財の保存修復というと、その文化財がつくられたときの姿に近づける、要は見た目をよくすることだと考えがちですが、現在、文化財資料保存の現場ではそのような考え方は退けられているようです。
では現在の資料保存の基本的な考え方とはどんなものか。簡単にいってしまえば「よりオリジナルに近い形での現状維持」となるのでしょうか。過去に行われた過度の「介入」と見られる修理跡などがある場合は一度その修理の前の状態に戻して、あらためてそれ以上の劣化がおこらないための保存環境づくりや必要最小限の処置が行われるのだそうです。
それぞれの文化財が経てきた時間も含めてオリジナルの価値を評価し、あるべき姿で後世へ伝える。文化財ひとつひとつに寄り添うような保存修復が、静かに、でも着実に進行しています。そのおかげで私たちはすばらしい文化財資料の数々を今も目にすることができているわけです。
ただ、東京国立博物館だけでも収蔵登録されている文化財資料の数が昨年3月の時点で114,362件もあるのだとか。全てを理想的な保存状態、環境に、と考えたら、ちょっと途方に暮れる数ですね。現場のご苦労が忍ばれます。

また、文化財保存の活動は阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て、文化財レスキューという活動に広がりを見せています。震災により破損したり、津波により海水に浸ってしまった数多くの文化財を少しでも救うためにさまざまな活動が行われています。メディアなどにあまり取り上げられないため知る機会がないのですが、地道な活動が今も進行中です。

これらのことは新刊、神庭信幸著『博物館資料の臨床保存学』に詳しく書かれています。そろそろ書店でもご覧いただける時期となってきました。来週には実際にお手にとってご覧いただけるはず。保存修復に関わりたいと学んでいる学生さんにはもちろん、博物館好きの皆さんにもお勧めです。文化財レスキューのことについてもっと知りたい! という場合は、神庭先生のブログを閲覧するのもよいでしょう。東日本大震災後、先生が携われた活動のはじめから今に至るまでが現場で活動された方ならではの臨場感ある言葉で綴られています。本書を、より理解する助けとなることと思います。

是非『博物館資料の臨床保存学』をご一読の上、桜の季節にさまざまな博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。展示されている文化財を見る目が変わっているかもしれません。

(編集:凹山人)

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椿の話

2014年3月13日 木曜日

すごい雨風です。このぶんでは庭の椿は散ってしまったかも。2014年3月11日の椿です。今年も地に向かい咲くのでした。
いくつか蕾が開いて、散って。まだまだ蕾がたくさんあります。
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繰り返し何輪も地に向かって咲く。繰り返し繰り返し。

被爆した牛を殺せずに40頭を飼い続けていたけれど、牛が草を食べる場所が汚染土の仮置き場になり、引き取り手のない32頭を殺したというテレビ番組を見ました。
「情けないよ」と苦労して冬場の牛の草代を負担し続けた男性が言ってました。

いまも、福島で東北で日本中で、海で、世界で多くのものが奪われつづけていて、だから椿は頭を垂れて咲くのだと思ってる。

大惨事のすぐあと、家々の屋根を見るたびに、t:eehは、そのうちどの家もソーラーパネルを載っけるようになるんだな、そういう時代になるんだな、と思ってた。だけど…。いままでどおりでなきゃ困る人もいるんでしょうね。

これは3月に入ってすぐの椿。
東大寺のお水取りでは、紅花で紙を染めて椿を作って本尊の十一面観音に御供えするんですよ。
椿は春に捧げられた花なんですね。お水取りがすむと春がきます。

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編集:t:eeh

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新刊情報UP!

2014年3月13日 木曜日

三月は決算月のところも多く、
消費税増加の準備もあり、
例年に比べて慌ただしいようす。

その慌ただしさと比例して、
たくさんの書籍が書店に並ぶことでしょう!
書店の平台が海の満ち潮のように膨れる時、
『よその出版社さんも頑張ってるなー』と圧倒されながらも、
個人的は心躍るひと時でもあります。

さてMAUPのWEBサイトでも
新刊情報をUPしています。
ぜひご注目ください!
[営業ずっち☆]

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3.11

2014年3月11日 火曜日

やっぱり、忘れてはいけない日。
忘れるなんてできないほど、記憶に、身体に刻まれた日。

自然とは…
生きるとは…
‘今’とは…
ということを、考えずにはいられなかったのではないでしょうか。多くの方が。

まるでどうしようもなく、宇宙の、自然の支配下にいるような気もしたし、
反面、宇宙に、自然に守られ、生かされていることも思い出したり…
たぶん、どちらもそうなのだろうと思います。
白にも黒にもなりうる、オセロのような自然の顔。
あの日、何度も神様の存在を疑ってしまったし、でも神様を信じてみたい、信じさせてほしい…と、懇願しました。

まだまだ被災地は、大変だなんて簡単に言葉を使うこともためらわれるほど、想像できないほどなのだろうと思います。

それでも、やっぱり、神様に、自然に、祈ってみてもいいのだろうか。
願ってみてもいいのだろうか。

あの日神様は、
何を考えろと、何に気付けと、何を学べと、地球規模で訴えかけたのですか……って、
聞いてみたくなる……けど結局気持ちが空虚になる。

たくさんの人の意識が向かうことは、叶えられると、叶えられやすいと聞きます。
今日、たくさんの人の意識が、復興を願っていますよ…神様。

人が前を向くそのまなざしは、神様に見えてるはずだと、信じています。

…ていうか、みんなブー当番忘れすぎっ!

[総務:ピロイ]

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すごいぞ! b-bag

2014年3月6日 木曜日

6タイトルの新刊発売に向けて、今日から取次申し込みです。4社の取次会社に1タイトルにつき複数の献本が必要のため「今回は3日にわけていきます!」と営業・ずっち☆は、大忙し! 車なしで持ち運びは限界があり、本日、1取次会社分2タイトルの献本を中継しました。

その際に活躍したのがb-bagです。A3サイズ、F6クロッキー帳が入る丈夫なスグレモノ。「絵本とイラストレーション」「パッケージデザインを学ぶ」を各6冊入れても大丈夫です。天気予報で「風が冷たいので温かくしておでかけください」といっていたので、オーバーを着用していましたが、その上からでも肩かけOKです。たくさんの荷物や重い荷物を運ぶ必要のある方、ぜひご注目ください。

すごいぞ!  b-bag。明日もよろしく。

[制作:呑猫]

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きら星の旅

2014年3月5日 水曜日

絵画、音楽、文学、映画、舞台、デザイン等々、何かを伝えるために生み出された作品をきら星と呼んでみました。そんな作品が120個以上つまった『絵本とイラストレーション 見えることば 見えないことば』のお知らせです。先に凹山人が画像をアップしてくれてます。なのに、しつこいですがもう一回。これです。

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「絵本」を構成する挿絵(イラストレーション)と、端的に切り詰められたことば(テキスト)。その要素が単なる足し算じゃなく、1+1が千にも万にもなるような、そんな表象のあり方について、さまざまな角度から問う本です。

収録画像は250。そのどれもが宝物みたいにきれいで懐かしく、ずっと眺めていると、喜びの声と悲しみの声がします。不思議な感覚です。それを著者はこんなふうに書いてます。

いつか「わかる」こともある。そこに生じる心の揺らぎ、これも表象の持つ力であり、有史以来人間が身体的記憶として受け継いできたものだ

揺らぎとか、曖昧なもの、零れ落ちるもの、奇妙でミステリアスで語り尽くせないもの、なのに懐かしくて忘れられないもの。

絵本だけじゃなく、好きな作品(きら星)はみんなそんなかんじだな、ってt:eehだけかね?

きら星が126個つまった『絵本とイラストレーション 見えることば、見えないことば』のカバーをドゥシャン・カーライさんのイラストが飾ります。表には『鏡の国のアリス』、裏返すと『不思議の国のアリス』のイラストレーションが載ってます。

じつは。カバーの折り返しにはちゃんと「3月うさぎ」のイラストも。書店で見かけたらぜひ手にとってお確かめくださいませ。

編集:t:eeh

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3月になって

2014年3月5日 水曜日

3月になり、新刊が続々完成。
営業担当者としては張り切りどころです。

書店さんにご案内に伺うのですが、
3月から異動になる方もいて、
少し寂しい気分。

お世話になったP吉祥寺店のSさん、
J吉祥寺店のTさん、
ご挨拶できずにすみません。
いつかお会いに行きたいと思います。

また新たな担当の方との出会いもあり、
新しく楽しいことが出来る予感もいたします。

今後とも皆さま、よろしくお願いします。

営業ずっち☆

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なんとか、冬越しのパピルス

2014年3月3日 月曜日

先月も紹介した我が家のパピルスです。大きな被害をもたらした2月の2回の大雪ですが、屋外のこの植物には雪ん子のように囲いをして、なんとか助かりました。すこし囲いやすいように切ったのですが、根元は元気です。

3月のパピルス 根元はウォーターマッシュルーム

3月のパピルス 根元はウォーターマッシュルーム

さて、ことしの通信教育課程教科書6冊の新刊です。例年4月からの授業にあわせて、通信教育課程学生に通信教育課程事務部から送り届けるために、この時期に計画に従って数点の新版が作成されます。
白尾隆太郎監修『パッケージデザインを学ぶ 基礎知識から実践まで』や今井良朗編著『絵本とイラストレーション 見えることば、見えないことば 』は、通信教育課程の実技系科目(造形総合科目)の教育内容をリニューアルする力作です。
三澤一実監修『美術教育の題材開発』と大坪圭輔著『美術教育資料研究』と高橋陽一編『新しい教師論』と3冊の教職課程教科書は、学習指導要領の改訂に伴い新しい教育現場のニーズに応えるためのものです。
また、博物館法の改正にともない学芸員課程も新しくなり、神庭信幸著『博物館資料の臨床保存学』も新しい科目の教育内容の充実のためのものです。

通信教育課程教科書では、名著と評判の高い水尾比呂志著『日本造形史 用と美の意匠』のように版元を変えながら読み継がれる古典といえるスタイルの書籍もあります。一方で社会と情報通信技術の変化に対応して教科書を新しくする必要や、教職課程と学芸員課程のように法令などの変化で新しい教科書が必要になる分野もあります。
こうした新しい教科書を、本学学生だけではなく、広く書店に提供して様々な読者に読んでいただけることを、楽しみにしています。著者の皆様、印刷製本の皆様、書籍用紙になった植物を含めて、多くの協力者に心より感謝します。

 

(ケロT取締役)

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