いぬ・ねこ・かえる

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秋の名残

著者の先生から遅れに遅れたややこしい原稿が届き、ここんとこ悪戦苦闘してます。煮詰まる、というのはある程度、最終的な形が見えたときに使える幸せな言葉なんだとしみじみ思うわけです。煮詰まる以前の、頭が煮え上がったままの状態で帰途につくわけですが、よくしたもので、秋の終わりの夜風が沸騰した頭を冷やしてくれます。空には、これもやはり冬に向かって白銀に輝き始めた月がかかっていて、冷たい光が頭を冷やしてくれる。玄関のドアをあければ美形のとぼけた猫が待っていて、あとはひたすら猫まみれです。この秋は沸騰しっぱなしだったような...。たぶん冬も沸騰しっぱなしに間違いないです。秋の名残です。10月初め頃の酔芙蓉で...
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老いて残るは・・・

「知り合いのギタリストが出ているからどうですか? 仲井土CHABOさんも歌いますよ」と誘われて先日、あるライブに行った。お客さんの平均年齢は56歳くらいか???というほど白髪率が高い、珍しい雰囲気。それにしても、CHABO様の輝きたるや!「いい事ばかりはありゃしない」が、まさか聴けるとは思っていなかった(なんで清志郞は死んじまったんだ)。新しいアルバムからの「オーイっ!」を聴きながら、いつか老人ホームで過ごす日が来たら、毎日、夕暮れ時にこの歌をひとりで熱唱しよう、きっと一緒に歌ってくれる人もいるだろう、と真剣に思った。リタイアしてゆっくりできるようになったら、好きな本を思う存分に読もう、と楽し...
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雪の音

来年刊行の音楽の本では、舞台と音楽という節もあります。俎上に上がるのは歌舞伎の音です。歌舞伎の場合、雪の降りしきる場面では太鼓が鳴ります。独特の抑揚とテンポでドンドンドンと、しんしんと降る雪をあらわします。(いままでなんとも思わず「あー雪が降ってるねぇ」と思っていたわけですが、よく考えてみればすごい組み合わせかもしれません)こうした効果音は舞台下手の黒御簾の中で奏でられ、どんな楽器がどんな音を出しているのか、舞台で、テレビで歌舞伎を見ている限り絶対に知られることはありません。そうした楽器の一部を誌面でご紹介します。はたして雨の効果「音」はどんな楽器が出しているのやら。お楽しみに。黒御簾の中の楽...
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虫めづる坊主

セブン坊主は、空前の虫ブーム継続中。夏のカブトムシ、クワガタムシ熱に引き続き、現在は、バッタの仲間に夢中です。ちなみに、坊主はハチやアブのような昆虫は大の苦手。クモもだめ。かなり偏っていて、本物の虫好きとは言えないのですが……。それでも、暇さえあればバッタを採りに行きたい! と主張し、親は親できらいじゃないもんだからお供してます。それにしても、身近にこんなに多くの種類のバッタの仲間が棲息しているとは、ととても驚かされています。トノサマバッタやキリギリスの、造形的なかっこよさにも気づかされました。セブン坊主が興味をもたなかったら、ひとくくりにバッタのままで見過ごしていたでしょう。こんな大きな(伝...
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酔芙蓉

酔芙蓉の季節です。夏をすぎてやたら茂ったモクレンの枝を整理したら酔芙蓉がよく見えるようになりました。よく咲いて、咲き終わった花がぽたぽた落ちる。これが、小さな手鞠のようでとてもかわいいのですが、こんなふうに。直径3センチくらいかな。ひっくり返したらこうなります。ね。裏も表もたいそう愛らしい。だけど放ったらかして雨にぬれると悲惨なことになるので、つまりグチャグチャに溶け出してしまうので、昨日のうちに落ち穂拾いならぬ落ち花拾い?をすませました。絶世の美女と言われた小野小町の九相図が京都市の安楽寺にあります。九相図というのは、人が死んで野ざらしになり白骨になるまで、九つの段階の相を描いたものです。咲...
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蓍に幽賛して黄蝶を生ず

おはようございます、と登校しようとすると玄関でチョウチョウが飛ぶ。しかも、一週間、毎日である。一匹づつ。最初は、間違って帰宅時に外から入ったのだと思っていた。黄色のかわいい蝶々、春にも秋にもいるキチョウである。私はカエルとアヒルの友達なので、残念ながら昆虫類には愛着が低かったのであるが、これほど礼儀正しく毎朝ご挨拶をしてくれるので、儒教関係の昆虫なのかと思った。それと私の家にはなぜか近所よりも蝶々が集中して飛ぶということもわかった。ケロハウスがチョウチョウハウスになっている。なぜか。ある午後、家に帰って玄関で、感動的な場面をみた。なんと家の中で羽化しているのである。がんばれ。そして飛び立った。...
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七つの威力

アトムとウランちゃんの栗まんじゅう。Eさん、ありがとうございます。アトム、懐かしいなぁ。♪空をこえて〜 ららら…なんとなく口ずさみながら、この歌の全貌ってどんなだっけ…??と、ネット検索。♪七つぅ〜の威力〜さ…なになにナニ〜??七つの威力とか知らなかったし。‘7’好きとしては気になる威力。調べましたとも。(七つの威力、新•旧あるらしいですけど)その1 電子頭脳その2 人工声帯(60カ国語を話せる)その3 聴力1000倍その4 サーチライトの目その5 十万馬力その6 足のジェット噴射その7 お尻からマシンガン…ぜんぶ、ください(笑)このまま年末まで、‘十万馬力’でがんばりましょう♪[総務:ピロイ...
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家鴨文庫だより(その2)

古書収集で異本の収集が一番楽しい。装丁や版組の違いはもちろん、内容の修正や劣化など。今年の8月、日本教育史研究会のサマーセミナーに大学や中学校の教員や博物館学芸員がパネリストになって、教育史研究がそれぞれの教育にどう活かせるかというテーマの議論になった。ここで日本教育史は、実は1876(明治9)年の万国博覧会への英文図書出品を引き金に、図書出版から始まって、それが徐々に明治時代の教員養成の教科書となって、専門の学者達が誕生するのは大正昭和になってからだというお話をした。この最初の教育史と銘打った図書であり、教科書である『日本教育史略』の異本類を家鴨文庫から提示した。それでどうなのといわれても、...
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『対話 私が生まれたとき』

お盆明けに出社すると、机の上に長沢秀之先生からの郵便物があった。あけてみると小さな冊子『対話 私が生まれたとき』が入っていた。8月8日−9日の2日間、東大和市立第五中学校で行った「ムサビる!2015」の活動報告らしい。「私が生まれたとき」で始まる文章を書いてもらい、その人に提供してもらった写真をもとにして、長沢先生がドローイングをする、詩画集のような冊子だ。Webでの報告もあるが、この冊子を手にしていると、個々の時間の積み重ねがより身近にかんじられ、その時間にはたくさんの人がかかわっていることを思い知る。文章とドローイングの「対話」であり、個と他の「対話」である。[編集:ハムコ]
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ことしも成長中

武蔵野美大の鷹の台キャンパスは北側校地の14号館建設の巨大プロジェクトでずいぶんと慌ただしいこのごろです。2号館新築以来、蛙の産卵場所、生育場所が少なくなっている厳しい現状ですが、ことしもがんばって育っています。約2センチのアズマヒキガエルさんです。大きさからはこの春に生まれた子どもです。こんにちは。記念撮影をお願いしました。また草むらへともどっていきます。どうか、大物に育ってください。(ケロT取締役)