秋の名残
著者の先生から遅れに遅れたややこしい原稿が届き、ここんとこ悪戦苦闘してます。煮詰まる、というのはある程度、最終的な形が見えたときに使える幸せな言葉なんだとしみじみ思うわけです。煮詰まる以前の、頭が煮え上がったままの状態で帰途につくわけですが、よくしたもので、秋の終わりの夜風が沸騰した頭を冷やしてくれます。空には、これもやはり冬に向かって白銀に輝き始めた月がかかっていて、冷たい光が頭を冷やしてくれる。玄関のドアをあければ美形のとぼけた猫が待っていて、あとはひたすら猫まみれです。この秋は沸騰しっぱなしだったような...。たぶん冬も沸騰しっぱなしに間違いないです。秋の名残です。10月初め頃の酔芙蓉で...