「すてき」「ステキ」「素的」

よく耳にする「すてき」という言葉は、
その発音によってかなり意味が変わる。
ややあがり気味に「すてき!」と言えば、
それは褒め讃える言葉となり、
下がり調子に「すてき〜」と言えば、
自分の意にはそぐわないものの、
受け入れざるを得ない表示となる。
後者の意味で便利につかいすぎたせいか、
「さっきのメールにあった〈ステキ〉はどっち?」
と聞かれ(社内で!)大笑いしたことがある。

ながらく御無沙汰していた著者の先生に
「推敲の段階でいらっしゃると思いますが」という
フレーズをつかって短いメールをお送りしたら、
「長らく編集などやると、あなたもこんな
 すてきな表現を使えるようになるのですね・・・」
と即レスをいただいた。
江戸っ子自動翻訳機にかけたら
「おめー、いっそう性根まがりやがったな」
ってなもんだ、と笑ってしまったけれど、
ここで笑っちゃいけませんよね。

保田龍門は書簡で「素的」と書くことがあり、
「シンプルで美しい、快適」という褒め言葉だ。
明治24年生まれの彫刻家らしい表記で、
真似したいと思いつつ、それが的確につたわるのか、
普段の言動によるのだろうなぁ。。。
[編集:ハムコ]

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