索引はありがたい

『道徳科教育講義』の校正の最終版である。何段階かの 校正用紙を並べると思い出があるような、紙のゴミのような。でも校正は紙でやらないと、ディスプレイ画面では絶対にわからない。校正担当者が「剣吞」を「剣呑」と間違えた箇所を見つけてくれたときは、それを痛感した。この二文字は画面 だと気づかない人が多いだろう。(なお機種依存文字であるため 二つが画面で異なって表示された場合はお許しください。)

校正用紙

この間の教職関係の教科書は索引をつけることに努力している。たとえば「道徳科」は「特別の教科である道徳」や「特別の教科 道徳」と同義であるが、「道徳の時間」とは別物である。索引は読者が言葉をさがして辞書代わりに使え るメリットがある。重要語句索引は、専門用語の勉強にも便利である。
 この教科書でもお世話になったのは、中華書局の『十三経 注疏』の索引本。本体2巻に対して、索引1巻である。中国の儒教の典籍の語句はこれでかなり原典まで確認できる。ただ 慣れ親しんだ索引も、最近はインターネット経由のほうが便利 なこともある。中国の中国哲学書電子化計画 本当にありがたい。

 出版局の書籍も、電子書籍にすると、検索機能で全文検索ができる。索引よりも便利である。ただ、実際にやってみるとふりがながあると検索から外れるというトラブルも発生した。 重要な人名や難解な語句にふりがながあるのだから、重要語句 こそ検索されないというのは問題である。
 今回の『道徳科教育講義』では、ふりがなのある重要語句には ある対策を施した。井上毅【ふりがな:いのうえこわし】は、…。彼の…。 とある場合は、井上毅【ふりがな:いのうえこわし】は、…。井上毅の…。と2回目もフルネームで繰り返すのである。
 はじめは違和感があったのだが、ふりがな文化とデジタル検索が共存するためには、仕方がない。とにもかくにも、まもなく責了である。

〔ケロT取締役〕

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