急げ!!和様刊本の世界へ

いま、武蔵野美術大学美術館で「和語表記による和様刊本の源流」という、素晴らしく密度の濃い展覧会が開かれてます。
会期は12月18日まで。残すところ、わずかに11日。
見逃すには惜しい、見どころ満載の内容ですので、この週末を利用してぜひ鷹の台まで足を伸ばして下さい。展示会場に並ぶのは貴重なものばかり。

仏書の荘厳な美しさや、ずらりと並ぶ嵯峨本の謡本90冊以上は目の正月どころか、門外不出とまでは言わないまでも、他の展示ではほとんどお目にかかれない内容です。
能の演目ごとに、箔押しの表装で飾られた謡本がズラリと並ぶ壮観さにt:eehなんて眩暈がしました。うわぁ「井筒」が「羽衣」が「定家」が並んでるし「鵺」もある…、という次第。

展覧会図録は、論考篇と図版篇の2部構成で、これまた印刷が超素晴らしいので会場で手に取って見てほしいです。
図版篇の内容は次の通りです。
1.柳宗悦によって見出された書物の美–浄土真宗の仏書
2.嵯峨本謡本の美を探る–古活字版「三井寺」復元プロジェクト
3.古版本、古活字版面の美–近世和様刊本の造形美
4.古文眞寳–明朝体の変遷と漢字書体

左は図版篇の表紙です。

版面全てを掲載すると、墨の匂いすらしそうな濃い黒が綺麗に出ない(t:eehの写真がマズイのである。綺麗に紹介できなくて本当につらい)。
表紙の図版は浄土真宗のお経です。中央の文字は、
「みだじょうぶつの このかたは いまに じっこうを へたまえり ほっしんのこうりん きわもなく よのもうみょうを てらすなり〜」と読みます。


これは、表4の中央に配された画像を拡大したもの。嵯峨本の謡本、能「三井寺」の冒頭です。仮名文字の、この流麗さ。素敵すぎるわ。

編集:t:eeh

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