見ねばわからん

先日、水戸芸術館の「石元泰博写真展」に出かけた。
森山明子先生の『石元泰博 写真という思考』を読んで、
「シカゴ シカゴ」と「シブヤ シブヤ」の
オリジナルプリントを比較して見たいものだ、などと生意気な
ことを考えていた。
しかし、実際に会場で「ぎゃっ」と驚いたのは
「桂離宮」のシリーズでした。

いやぁ、驚いた・・・
最近、石元先生の『桂離宮』が復刻され、各紙が書評欄で
とりあげられるのを「いまさらどうして桂なんだろう」などと
思っていたが、いまさらも何も・・・素晴らしいからだ。
嗚呼、あたしゃあ何もわかってなかった。
石元先生、ごめんなさいごめんなさい。

磯崎新さんが「タウトよりも石元さんの『桂離宮』が、海外に
その存在を知らしめた」と云っておられたのを噛みしめる。
陳列されている一枚目は、ぬれた敷石、ぬれた苔。
庭そのものでもなく、建物でもない。
桂離宮への招待状のような一枚目は、匂いに満ちていた。
[編集:ハムコ]

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