浪曲・木馬亭

来年、音楽論の教科書を出します。目次案が手元にあるのですが、これまでにない、独自なアプローチで「音楽と文化」を多面的に捉えようという試みです。

その中に「声」というテーマもあり、だからというわけではないのですが、友人と「能の謡いとか人形浄瑠璃の太夫とか、声の力ってすごいよね」という話をしていたところ、「浪曲もおもしろいよ」という話になりました。

で、浅草の木馬亭へ行って来ました。雷門から仲見世を抜けて本堂の前で左に折れ、奥山門を出て参道へ。このあたりはかつて花街だったそうですが、しばらく行くと右手に木馬亭があります。
この日は席亭の根岸京子さんが「第36回松尾芸能功労賞」を受賞されたお祝いの特別企画公演でした。
「浪曲の伝統芸能が弱体化しその保存が危ぶまれた時期をひたむきな尽力によって逆境を盛り返し今日の成果が導かれた功績」を評価されての受賞だそうです。

特別のお祝いの日だったので超満員。右も左もわからない初めての客に木馬亭の皆さんはとても親身に案内してくださって、ほんとにお世話になりました。こういう方たちのひたむきな努力が50年を支えてきたんだね、と友人としんみりしてました。

中入り後に入ったので聴いた演目は4つでした。全部とってもおもしろかった!!
トリは澤孝子さんの「徂徠豆腐」。若き日の荻生徂徠と豆腐屋七兵衞との、言ってみれば人情噺なのですが、落語の「徂徠豆腐」よりも理が勝ったというか骨っぽい仕立てで、t:eehの好みに合う。
それに、語り出しが、ものすごい声で、沢さんご自身が「お祝いの日なのでいい声が出た」と言うほど。

興味のあるかたはインターネットで木馬亭を検索してみて下さい。
初物尽くしの木馬亭でしたが、ほんとによい聴きもの、よい席で、楽しかったです。そしてこれも初物
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リアル・スカイツリーでございる。はじめてこの目で見ました。
雨上がりの浅草寺境内から見上げた、半分雲の中に隠れたスカイツリー。

編集:t:eeh

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