いまのうち

いまは昔。20代の頃。
「締切の前日が忙しいなんて、すごいね!」と同年代・同業種の呑み仲間たちに褒められた。
皆、月刊情報誌のライターをしており、アポをとって(メールはなく、携帯電話も持てなかった時代。アポとりが超難関!)、取材して、データ確認して、原稿書いて……ということをしていると、ほかの仕事も同時進行の中、締切日当日だって、当然、原稿を書いているという。
当時の私は「締切前日に原稿は仕上げて、締切当時は別の目で読み返したいじゃない? なにかあれば確認しなきゃいけないし。だから、締切の前日までに原稿きっちり仕上げるの」などと豪語していた。ビジュアル優先(先割)なので、すでにレイアウト指定されており、文字量はきっちりきまっていたし、初校で赤入れは、避けなければならないし。

なんでできたのだろう? 余裕があるからではなかった。そのくらいしないと、あれま〜というくらい仕事は去っていくものだと自覚していたから。余裕がなかったのだなあ。なんとかなるさ、とは全然思えなかった。

ときは流れて。ずいぶんと流れて。いま。
まだ焦る状況ではなくても、刊行ラインアップの仕様、これから押し寄せる通過儀礼や諸問題を考えると、大丈夫!と思えず、気持ちばかりが前のめり。10月のうちに、翌年2月末絶対納品の教科書3タイトルが、監修者や編者にほぼ通して確認してもらえる状況になるなんて、本当に初めてで、本当に夢のようなのに(これが本来の進行なのだけれど)。そして、今日もせっせと組版。

できることを、いまのうちに。

呪縛のように考えた、夏の終わり。
進路に悩む20代の姪っ子と、久しぶりにがっつり話して、感化されたオバちゃんのひとりごと。

[呑猫]

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