高島直之『イメージかモノかー日本現代美術のアポリア』その2

営業zucchiがすでに紹介してくれた『イメージかモノかー日本現代美術のアポリア』ですが、カバーに作品を使わせていただいた中平卓馬さんは、イメージや表現することの意味にひたむきに向き合い、生きて、死んでいった方でした。そしてこの本も真面目でひたむきです。この本にはこんな帯がかかります。

中央の「反芸術からもの派まで」という文言は本の背に、その左側が表1つまり表紙に、右側が表4つまり本の裏側にかかります。

この本が対象とするのは1960年代に論じられた「反芸術」から1970年後半までです。事象としてはハイレッド・センターの山手線事件や、模型千円札裁判、「もの派」の実践と活発な論陣がありました。いずれも日本現代美術の重要で切実な動向であり、当時の作家の実践や批評を注意深く論じることで、あの時代にいったい何が起きていたのかを克明にトレースします。具体的な対象となるのが帯の表4に挙げた人たちです。名前を読み上げるだけで背筋が伸びます。
戦後日本現代美術の様々な事象について興味のあるすべての人にぜひ読んで欲しいと思ってます。私ごとで超恐縮ですが、t:eehはこの本を読み、戦後の日本現代美術の様々な出来事の意味と繋がりがストンと腑に落ちた気がしたからです。
何本もの経糸と緯糸で織られたキストです。いろんな読み方ができる本です。真面目で切実な世界でお待ちしてます。
久しぶりの編集t:eehでした。

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