小竹信節先生と焼きりんご

翻訳を中心とした学術書の編集者である友人が「仕事終わりに夜の9時頃から、喫茶店で心ゆくまでタバコをくゆらせて11時頃に帰宅するのが理想なんだけど、近所にそんな喫茶店がどんどんなくなって困っている」としみじみと言いました。
チェーン店のカフェではダメで、昔ながらの喫茶店がいいとのこと。なるほど。。。
「んぢゃ、吉祥寺に引っ越してくるしかないんぢゃね?」なんて言いながら「くぐつ草」に行ったら、外階段までお客さんが並んでた🙀

「よし、武蔵野文庫の焼きりんごだ!」と急に思いついて、勇んで武蔵野文庫へ。
が、ドアに「焼きりんご、売り切れました」と手書きのビラが、、、ざ、残念っ。
土曜日の夕方だもの、そりゃそうよね。というわけで、お隣の多奈可亭へ(これが吉祥寺のいいところ)

急に焼きりんごなんて言い出したのは、小竹信節先生を思い出したから。。。
3年前の2月19日のこと、「どうしても書名がまとまらないから、小竹先生との打ち合わせに同行してほしい」と t:eeh に頼まれたものの、うーん、ハムコが同席したところで、タイトル決定ができるのか知らん。
なんて不安な気持ちだったのですが、そのまんまのタイトル『奴婢訓 武蔵野美術大学公演2019』が、すんなりと決まり、超ゴキゲンな小竹先生が武蔵野文庫の焼きりんごの話をされたのでした
(その時のブログでは「ブルーレイディスク」と書いていますが、最終的にはDVDになりました)

2月8日、小竹先生の訃報を大学の回覧で知りました。享年72。
小竹先生のお声は、忘れられません。柔らかく、深く、静かな、魅力的なお声でした。
もう電話をいただくことはないのだと思うと、井戸の底に沈んだまま空を仰ぐよう。
小竹先生のお家には、兄弟の大きな犬がいたけれど、あの子たちはどうしているだろう。
(編集:ハムコ)

コメント