がすか

「あまちゃん」みてますか?
といってもドラマの話をするのではありません。
毎朝、オープニングで軽快な音楽にのって、海沿いの線路を一両だけの鉄道が走ります。それを目にしていると、自分の田舎の鉄道を思い出すのです。

それが「左沢線」。
読めますか? 相当な難読ですねこれは。
「あてらざわ・せん」と読みます。通称「ざわ線」。
北山形駅と左沢駅を結ぶ路線です。
左沢線をご存知の方は、あまちゃんみて何で左沢線? と不思議に思うでしょう。
なぜなら左沢線は、内陸の盆地の今では宅地も増えたとはいえ、基本的に田んぼや畑の中を走る鉄道だから。
田舎とはいえ風光明媚な海岸線を走る鉄道とは全く違う、観光要素などまるでないローカル線です。
それに日常的に利用していたわけでもありません。最寄りの駅(無人駅)は街中の始発駅から一駅。
高校へ通うのも自転車やバスで楽勝だったし、下り(左沢行き)に乗る用もないし。クラブや部活の試合で市や町を跨いで試合に出向く時に乗る程度でした。
でも思い出しちゃうんですよねぇ。
主に、視覚的な想い出アイテムなんです。
原風景の中でいつも走っている。

もちろんディーゼル車。「電車」ではありません。
子どもや若い世代は汽車、汽車と言っていましたが、亡くなった祖母や同じくらいの年配の方々が「がすか」と呼んでいたのもなつかしい。
「がすか」は方言だとずっと思っていました。濁音まじりの、いかにもズーズー弁にマッチした言葉だと。正直、ちょっと馬鹿にしていました。
これが大きな間違いだと気づいたのは大人になってからです。
鉄道好きの方はもうおわかりでしょうが、「ガスカー(gas car)」だったのですね。
天然ガスを燃料にした車両が走っていた時期があったらしく、その名残りということです。
祖母が口にしていた言葉が、急にハイカラな感じに思えてきたから不思議です。
ばあちゃん、ごめん。

(編集:凹山人)

コメント

  1. t:eeh より:

    ちょっとしみじみした。がんばれ!!ガス・カー、じゃなくて「がすか」!!

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