恐るべし

春先に格安理髪店にてプロによる初散髪を行って以来、セブン坊主の髪の毛はどんどん伸びて、最近では特に前髪が本人も気になる様子。
「なんか邪魔じゃない?」と母親が問うと、「邪魔」。
「切る?」とまた問うと、「前髪だけ切る。前髪だけ自分で切る」。

普段、毎日毎日紙を切り刻んでいるお陰で鋏使いはお手の物。
当然厳重に監視しつつ、鏡の前でセブン坊主自ら前髪をジョキジョキ切りだしました。
いくら鋏使いがうまくても、格好良く切れるはずないのになぁと思って見ていると、母親の口元に邪悪な笑みが……。
私はそこで気づきました。この人の狙いは他にある!

何も知らない坊主は調子にのって、ジョキジョキ、ジョキジョキ切っています。
そして案の定切り過ぎて、とても前髪をどうこうでは取り返しのつかないところまで行っています。

そこまで黙ってみていた母親が言いました。
「あー切りすぎちゃったねぇ。カッコ良くするには坊主しかないな。坊主にしよう、坊主決定!」
幼稚園児なりに色気づいてきたセブン坊主は、だいぶ前から坊主になることを断固拒否していました。
そこへ突然の坊主宣言。そしてその宣言で鏡の中の無惨な姿に気づき、坊主と前髪なしの間で思いが揺れに揺れている様子。しばらくは「このままでいい! 坊主にはしない!」とがんばっていましたが、しまいに泣き出しました。

あとは私も巻き込まれ、なだめすかしながらのバリカン大会。あっという間に、文字通りのセブン坊主になりましたとさ。
その後のセブン坊主の立ち直りは早く、鏡の前でおどけてみたり、自分のあたまを撫で回したりで、やればやったで気に入ったようでひと安心。これから夏に向けて、さっぱりできてよかった、よかった。

それにしても、母親の作戦恐るべし。自分がはまらないように気をつけねば……。

(編集:凹山人)

コメント

  1. ハムコ より:

    ああ、セブンくんのおつむりをなでなでしたいです。
    あの手触り!

    母君はあの手触りをもとめて、姑息な手段(?)を
    つかったのでは???

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