「奴婢訓」で何役を演じたいか?

7月2日から6夜連続の公演「奴婢訓」が幕を閉じ、t:ehとハムコは虚脱気味ながら(秋には書籍刊行予定)、そんなことは言っていられない鉄火な状況にある。
にもかかわらず「奴婢訓」なら何役をやりたいか、夜の7時を過ぎだというのに激論になる。
「ダリアはハムコさんに譲るから」きっぱりと言うt:eh。
ダリアは主役の奴婢(女中)で、かなりS系の女王様である。
「いーえ、わたくしは《かま猫》で結構です」
「いやいやいや、《かま猫》はわたし」
《かま猫》の見せどころは、真っ暗な舞台で、ランタン片手に屋敷じゅうの鍵をひとつずつ締めながら歌うシーンだ。歌うというよりも呟く。

「誰が殺した、駒鳥を
 下男は金をかぞえてた
 女中は口紅つけていた」

じつに密やかなシーンである。この芝居のいちばんの見せどころは、役者がのたうちまわる舞踏シーンにある。五体投地のヴァージョンアップ版か?と思うよほど役者は舞台に体を打ちつけ、立ち上がり、また打ちつけては跳ね上がる。これこそ劇団万有引力の凄みである。その対局が、このシーンだ。やっぱり《かま猫》がやりたいよぉ。

が、ここは手を携えて8月開催の展覧会図録「くらしの造形 手のちから・手のかたち」を完成させねば!というわけで、
「わかった。《かま猫》は譲れないけど、人形浄瑠璃の手のところはわたしが確認しておく」と手を打つ午後8時。
よゐこはおうちで寝る時間です。
そうそう、この芝居にはこんな名言も盛り込まれています。
「あたしの夢は、あんたの徹夜」
《編集:ハムコ》

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